世界の原油市場を左右する中国とイランの石油コネクション

エリカ・ダウンズ
ブルッキングズ研究所 中国センター・フェロー
スザンヌ・マロニー
ブルッキングズ研究所 サバン中東研究所・シニアフェロー

Getting China to Sanction Iran
―― The Chinese-Iranian Oil Connection

Erica Downs CIAのエネルギーアナリストを経て、現在はブルッキングズ研究所中国センターフェロー。専門は中国企業の国際市場への進出。中国の外交とエネルギー政策など。
Suzanne Maloney 国務省の政策顧問を経て、ブルッキングズ研究所サバン中東政策センター・シニアフェロー。専門はイラン、湾岸諸国の政治経済、中東のエネルギー政策など。

2011年7月号掲載論文

多くの外国企業が、イラン制裁を求める国連決議に配慮してイランから撤退しているというのに、中国だけが別行動をとっている。当然、中国のイラン路線とそれにアメリカがどう反応するかは、今後の世界のエネルギー・ビジネスと国際政治を左右する大きなファクターだ。資源を求める中国の石油企業にとってイランは魅力的な進出先だ。しかし、ワシントンは北京に対して、ウラン濃縮を続けるイランに対する制裁レジームの完全なメンバーになるように求めており、中国もワシントンの意向を公然と踏みにじるのは問題があると考えている。ワシントンは中国に対して、「イランに核開発計画を断念させれば、石油の供給と価格の安定化が期待できるようになり、中国の利益になること」、逆に、「そうしない限り、原油価格のボラティリティがさらに高まること」を理解させる必要がある。

  • 中国とイランの複雑な関係
  • イラン問題に関する中国のジレンマ
  • 求め合う中国とイラン
  • 中国とイランの絆の強さはどの程度か
  • 不可欠のパートナーか

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