ワールド・エコノミック・アップデート
不透明感漂う日米欧経済
World Economic Update
2011年5月号掲載論文
日米欧は非常に対応の困難な長期的財政問題を抱えている。政治状況ゆえにさらに厳しい状況になるまで対応策を決められずにいるのは、基本的にすべての先進諸国に共通する現象だ。(P・オルザック)
欧州で危機に直面している国々はいずれユーロから離脱し、債務不履行を宣言せざるを得なくなる。これには疑問を差し挟む余地がない。そうなるかどうかではなく、問題はいつそうなるかだ。緊急融資を利用して問題を先送りできるかもしれないが、問題を解決することにはならない。(D・ラックマン)
日本経済が脆弱であることをすでに認識している中央銀行が量的緩和を実施するのは適切な処置だが、経済再建は期待できない。経済成長を軌道にのせることにはならない。(P・フィッシャー)
- 政治対立で複雑化する米経済政策
- はっきりとしない米経済の回復
- 地震後の日本経済
- 出口のないヨーロッパ経済危機
- 原子力危機の経済への悪影響は
<政治対立で複雑化する米経済政策>
セバスチャン・マラビー まずゲストの紹介から。デスモンド・ラックマンはアメリカンエンタープライズ研究所のフェローで、今回の景気後退(リセッション)を適切に分析している専門家として知られている。シティコープのピーター・オルザックは現在CFRのフェローも務めている。ピーター・フィッシャーはブラックロックの投資責任者。
まずアメリカ経済の先行きについて議論したい。最近、連邦準備制度理事会は「経済は回復しつつあるが、量的緩和政策を変更するほどの力強さはない」という分析を示した。つまり、連邦準備制度はまだ道半ばだと認識している。そこでフィッシャーに聞いてみたい。アメリカ経済の短期的な見通しについてどう考えているか。・・・
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