CFRミーティング
モバイル革命のこれまでとこれから
The Mobile Revolution
2011年5月号 掲載論文
「6~7年前まで、多くの人は私同様に、机の上にパソコンを置いていたはずだ。あなたの秘書の机の上にもPCがあった。出張に出かけるときはノートパソコンをバッグに入れ、ポケットには携帯電話を、ズボンの後ろポケットにはブラックベリーを入れていた。そしてスマートフォンが登場する。今では、これまでの複数のデバイスに分散していたさまざまな機能が(スマートフォンという)一つのデバイスに統合されている。さらに重要なのは、これらのデバイスのコンテンツを同期化できるようになったことだ。連絡先、Eメール、カレンダーを連動させられるようになった。ここからどこへいくのか。・・・・これから先に起きるのは、まさしく今から6~7年前に起きたことだ。再び、デバイスの多様化が始まる。・・・・」(R・L・スティーブンソン)
- モバイルブロードバンドの時代
- 中国とインドのモバイルブロードバンド・モデル
- iPhoneとU―verse
- モバイル革命が経済、政治に与える影響は
<モバイルブロードバンドの時代>
ランドール・スティーブンソン 先ず、この4年間に何が起きたかを考えて欲しい。私はこの時期をモバイルブロードバンドの時代と呼んでいる。モバイルブロードバンドが社会に根を下ろし、流れをつくりだし、成長し始めたのは2007年以降になってからだ。
われわれは第3世代のモバイルブロードバンド・ネットワーク(3G)を数多く構築し、無線周波数の拡大に大いに力を入れた。そして、スティーブン・ジョブス現象が起きた。そう、iPhoneが市場を席巻し、その後、他のメーカーもスマートフォン市場へ参入した。さまざまなコンテンツをダウンロードできるAPPStoreをアップルが提供し始めたのはわずか2年前だ。
こうしたタブレット端末がいまや市場に大量に流れ込んでいる。その結果、何が起きているか。この4年間でモバイルブロードバンド・ネットワークを行き交う情報量(トラフィック)は実に8000%も上昇した。大き過ぎてわかりにくい数字だが、例えば、ニューヨークのラガーディア空港からマンハッタンへの道路の交通量が8000%も増えたらどうなるだろうか。・・・
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