インターネットは自由も統制も促進する
――政治的諸刃の剣としてのインターネット
Democracy in Cyberspace
2010年12月号掲載論文
インターネットテクノロジーはメガホンであり、拡散機能を持っているが、この機能は、国境を越えた情報拡散の促進を望む人々だけでなく、この流れを遮断し、悪用する人々も利用できる。メディアとしてのインターネットが、民主主義を求める声を増幅させるのは、すでに、民主主義への希求が存在する場所においてだけだ。一方、権威主義国家は、彼らにとって好ましくない情報の自由な流れをブロックするために、そして、政府の立場や考えを拡散するために、情報テクノロジーを利用している。最終的には、世界のあらゆるインターネットがさまざまな政府による詳細な監視の対象にされるようになるだろう。事実、欧米のハイテク通信企業は、いまや自らを軍需企業のように考えだしている。インターネットが消失することはない。だが欧米諸国が使用し、一方で、権威主義国家の意向を満たすような一つのインターネットが存在すると考えるのは現実的ではないだろう。
- テクノロジーは自由を拡散するか
- テクノロジーは価値を伴わない
- インターネットと国家の論理
- 権威主義国家と通信テクノロジー
- ハイテク企業は軍需企業化していく
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