金融危機後の「ヨーロッパ」は分裂し、 内向きになっていく
A Divided and Insular EU
2010年11月号掲載論文
ユーロ圏の金融危機によって、ヨーロッパの統合プロジェクトは大きな試練にさらされている。(ギリシャを含む)一部のヨーロッパ経済がグローバル化、福祉国家の重荷に関連して経済的に困難な状況に直面するようになるにつれて、欧州統合という概念への人々の思いは複雑なものへと変化しつつある。ヨーロッパは内向きになっている。加盟各国は国内問題に専念するようになり、今後、EUが世界レベルでハードパワーとソフトパワーを行使する能力も制約されてくる。CFRのスチュアート・パトリックは、今後のヨーロッパでは、「国家間関係が重視されるようになり、大きな外交問題に遭遇した場合でも、欧州委員会や欧州議会よりも、ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が各国の指導者たちと協議する形でリーダーシップを発揮することになる」と予測する。EUが解体することはないとしても、「ユーロを導入してユーロ圏を形成し、分かちがたく結びついている諸国」、そしてイギリスその他のように「ユーロには参加せずに、自国のペースで懸案に取り組んでいる諸国」の二つの集団へとヨーロッパは次第に分かれていくだろうと同氏はコメントした。聞き手はRoya Wolverson, Staff Writer, cfr.org
- 揺らぎ始めたドイツの「ヨーロッパ」への立場
- 内向きになるヨーロッパ
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