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中東の新しい地図に応じた路線を
―― 激変した中東秩序を和平への追い風にするには

ロバート・マレー 国際危機グループ(ICG) 北アフリカプログラム・ディレクター
ピーター・ハーリング ICGイラク・レバノン・ シリアプロジェクト責任者

Beyond Moderates and Militants

Robert Malley 国際危機グループ(ICG)北アフリカプログラム・ディレクター。1998年から2001年まで、アラブ・イスラエル問題担当大統領特別補佐官を務めた。
Peter Harling ICGイラク・レバノン・シリアプロジェクト責任者。国際危機グループの責任者として、バグダッド(1998~2004)、ベイルート(2005~2006)に赴任し、現在は、ダマスカスで活動している。ICGは、紛争現場での調査を重視した、政策提言を行う国際的な非政府組織。活動資金は企業や個人の寄付、欧米諸国政府の拠出によって賄われている。ICGの活動はhttp://www.crisisgroup.org/で紹介されている。

2010年11月号掲載論文

中東情勢は急速に進化している。各プレイヤーの思惑も変わり、複雑な絡み合いをみせている。サウジがハマスとの対話を再開し、シリアとの関係を改善させ、一方のシリアはテヘランとの安全保障関係を強化しつつも、テヘランのイラクに対する干渉路線には反対している。アメリカは、この複雑な地域環境の変化を認識すべきだ。これまでのパターンを踏襲するのではなく、さまざまな諸国の取り組みを調整するコーディネーターの役割を果たすべきではないか。アメリカが主導する中東和平交渉と一体性のある形で、エジプトとサウジが、カタールやトルコとともにパレスチナの和解を促進することもできるし、トルコが和平プロセスにおけるハマス、シリアとの折衝にあたることも、核問題をめぐってイランとの折衝にあたることもできる。もっとも重要なのは、ワシントンが、穏健派VS・過激派という不毛なパラダイムで中東をとらえ続けるのをやめることだ。

  • 中東は大きく変化している
  • ジョージ・W・ブッシュの大きな誤算
  • 安易な勢力区分では現実に対処できない
  • 中東における二つのビジョン
  • 中東への斬新なアプローチを

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