欧米とアジアの相互依存は成立するか
―― 中国、インド、欧米の相互作用とアジアの未来

サイモン・タイ シンガポール国際問題研究所(SIIA)理事長

Interdependence Theory ―― China, India, and the West

Simon Tay シンガポール国際問題研究所(SIIA)の理事長で、著書に”Asia Alone:The Dangerous Post-Crisis Divide From America”がある。

2010年10月号掲載論文

中国とインドを中心とするアジア経済は、このままめざましい成長を続け、欧米世界からは距離をおくようになるのか、それとも、依然としてアジアは欧米を必要としているのか。経済・金融危機が起きるまでは、アジア経済の統合が進めば、アメリカの消費者に頼らずとも、アジア経済は成長を維持できるという立場の「ディカップル論」に合理的な根拠があるようにも思えた。しかし、危機が深刻化するにつれて、アジア経済と欧米経済のディカップルなどあり得ないことが明らかになっていく。アメリカの需要が急速に落ち込むと、アジア全体、特に中国の生産がすぐさま打撃を受けた。だが、アメリカ市場への依存を抑えようとするアジアの取り組みも始まっている。内需を高め、アジアの貯蓄を米国債の購入にばかりあてずにアジアにとどまるようにするための、新しい金融メカニズムの構築が試みられている。流れはどちらへと向かうのか。そして、地域的、そして世界的に経済モデルとして注目されるのは中国経済、インド経済のどちらなのか。

  • 中印経済の原動力はどこに
  • 中国とインドのせめぎ合いは続く
  • アジアモデルを主導するのは
  • 中国は欧米のルールを受け入れるか
  • 無視できない国・アメリカ

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