トルコは脱ケマリストの時代へ?
A win for Turkish Democracy
2010年10月号掲載論文
9月中旬に実施された憲法改正をめぐるトルコの国民投票で、イスラム系の公正発展党(AKP)が示した憲法改正案を市民は支持したが、これは何を意味するのか。1992年にAKPが権力を握り、議会の多数派になると、世俗派が反対するような法案を数多く法制化してきた。こうして野党勢力は世俗派が中枢を握る司法の場で決着を付けようと試み、その結果、AKPが成立させた法案のほとんどに違憲判決が下された。AKPが憲法改正を通じて司法改革に乗り出したのはこうした理由からだ。今回の国民投票に続いて、AKPとエルドアンが次の総選挙でも勝利を収め、議会の多数派としての地位を確保すれば、彼らがかねて望んでいたように、新憲法を導入する機会に恵まれるだろう。ここで認識しておくべき重要なポイントは、こうした変化がイスラムへの回帰というよりも、大きな力を持ち始めているイスラムの中産階級の立場を反映していることだ。むしろ問うべきは、これによってトルコの民主主義の質が高まるかどうかだろう。
聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)
- 追い込まれたケマリスト
- 二極化するトルコ政治
- ヒジャブ問題が象徴するトルコ社会の変化
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