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本当に新興国を世界の中枢に迎え入れるべきなのか
―― ブラジル、中国、インド、南アフリカの成功の限界

ホルヘ・カスタニェダ 元メキシコ外相

Not Ready for Prime Time ―― Why Including Emerging Powers at the Helm Would Hurt Global Governance

Jorge G. Castañeda 2000~2003年にメキシコ外相を務め、移民、貿易、麻薬問題をめぐって対米折衝にあたった。現在はニューヨーク大学教授(ラテンアメリカ・カリブ海諸国政治)、国際人権NGOのヒュー・マン・ライツ・ウォッチ理事、ニューアメリカ財団の研究員。

2010年10月号掲載論文

より現実をうまく反映できるように世界秩序を再編し、グローバルな統治構造の中枢に新興大国を迎え入れる必要がある。こうみなす点では世界的なコンセンサスが形作られつつある。経済的には必然の流れかもしれない。だが、それは世界の人権と民主主義にとって本当にいいことだろうか。金融や貿易領域では、新興大国がグローバルな交渉に参加するのは当然だろう。しかし今のところ、人権や民主主義をめぐる新興国の政治的価値は、国際社会の主要なプレーヤーおよびそのパートナーが信じてきた価値とはあまりにもかけ離れており、世界の統治評議会を構成する国際機関の中枢に新興大国を参加させるのは考えものだ。新興大国は世界で有意義な役割を果たすのに必要な条件、つまり、内外の市民社会の声に耳を傾け、民主的統治を受け入れるつもりがあるのか、もっと真剣に考えるべきだし、既存の大国の側も、そのような新興大国をあえて仲間に迎え入れることを本当に望むのか、もう一度考えるべきだろう。

  • 増殖する「アルファベットグループ」
  • 先進世界の価値に新興大国の行動規範はなじまない
  • 新興大国は普遍的価値など重視していない
  • ブラジルの迷走
  • 新興大国の軸足はどこに
  • 新興大国の詭弁?
  • 受け入れるべきか、拒絶すべきか

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