2009年秋、ドルは準備通貨の 地位を失いかけた
― 世界はドルを見捨て始めたのか?
How Dangerous Is U.S. Government Debt? The Risks of a Sudden Spike in U.S. Interest Rates
2010年9月号掲載論文
ドルのダンピングがいつ起こるのかは誰にも分からない。だが、そのような事態になれば、準備通貨保有国における金利の上昇と経済成長の鈍化は避けられなくなる。2009年末には、この潜在的リスクが現実となりかねない局面があった。・・・世界のリスク・フリー資産であるはずの米国債10年物の利回りが上昇し、価格が急落したのだ。一方、世界のユーロ建て国債の購入額からユーロ圏の外国債券への投資額を引いた差額は過去最高レベルに達していた。ユーロへの資金流入に連動してドル相場が下落したために「ついに世界の投資家たちはドルとアメリカを見捨て始めた」という懸念が高まりをみせた。しかし、このタイミングで、ユーロ圏で金融危機(ギリシャ危機)が表面化し始めた。危機のおかげで、アメリカ政府は国内の市場圧力とトリフィンが予測した運命の双方から一時的に逃れることができた。しかし、ドルからの離脱という流れはよどんだだけで、消滅したわけではない。
- トリフィン・ジレンマ
- 長期金利と国内圧力
- グローバルな投資家の役割
- 2009年のニアミス
- ドルの下り階段の踊り場で政策的になにをすべきか
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