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ギリシャ危機とユーロの将来
― ギリシャ危機はユーロ衰退の始まりか?

ロレンゾ・ビニ・スマギ 欧州中央銀行役員

The Future of the Euro

Lorenzo Bini Smaghi イタリアのエコノミストで、イタリア経済・金融省の国際金融担当ディレクターを経て、現在は、欧州中央銀行のエグゼクティブボード(役員会)メンバー。

2010年9月号掲載論文

いまや専門家の多くは、ギリシャ金融危機によって、ヨーロッパの制度や単一通貨ユーロを含む、これまでの統合の試みが非常に大きなダメージを受け、今後、統合の流れが途絶える恐れさえあると考えているようだ。だが、そうした見方は時期尚早だろう。通貨同盟であるユーロを含めて、ヨーロッパはいまも統合に向けた改革の途上にある。・・・財政改革路線が経済成長を低下させるだけでなく、政治的にも経済的に持続不可能だと考える者もいるが、一方で、放漫財政を続ければ、金融市場にペナルティを課され、さらに深刻な事態に直面することを考えなければならない。厳格な財政改革を実施しなければ、さらに深刻な事態が待ち受けている。抜本的な財政改革、構造改革なしでは、危機を食い止めることはできない。・・・危機管理のための超国家的な監視・規制メカニズムについても、欧州は主権と統合の間の適切なバランスを今後見極めていくことになるだろう。

  • なぜチェックシステムは機能しなかったか
  • IMF型救済策
  • 債務再編、ユーロからの離脱?
  • IMFによる改革案のリスク
  • ギリシャ危機とヨーロッパ統合の危機?

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