HIV・エイズ対策優先か、
他の援助との バランスをとるか、それが問題だ
No Good Deed Goes Unpunished
――The Unintended Consequences of Washington's HIV/AIDS Programs
2010年9月号掲載論文
2005年、G8はアフリカのHIV感染者全員にARV(抗レトロウイルス薬)を投与することにコミットする宣言を発表した。だが、感染者数が犠牲者数を上回る限り、ARV投与が必要になる人々の数は劇的に増えていくし、しかも、ARV投与は一生続けなければならない。これは、主にアフリカにいる数百万人のHIV感染者の生死が、財政赤字に苦しむ先進諸国、とくに米議会が援助予算を認めるかどうかに直接的に左右されるようになることを意味する。HIV対策が他の疾病や開発援助用の予算を奪い取っている部分があるだけに、優先的に扱われるHIV感染者へのアフリカでの反発が高まる危険もある。状況を整理しない限り、優れた人道主義的構想が、予期せぬ問題を招き入れる恐れがある。
- HIV対策援助のメリットとデメリット
- 援助が影響力につながらない理由
- エイズ対策優先が引き起こした余波
- 重荷を軽くするには
- HIV対策重視路線が引き起こす論争
- エイズ対策プログラムの国際化を
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