Travel Stock / Shutterstock.com

「アフガンにおける成功」の定義は何か
―― このままではアフガン国家は分裂する

スティーブン・ビドル 米外交問題評議会シニア・フェロー
フォティニ・クリスティア マサチューセッツ工科大学助教授
J・アレクサンダー・サイアー 米平和研究所ディレクター

Defining Success in Afghanistan ― What Can the United States Accept?

Stephen Biddle 米外交問題評議会国防問題担当シニア・フェロー。専門は米国家安全保障戦略、軍事戦略、対テロ戦争など。
Fortini Christia ハーバード大学で博士号を取得後、現在はマサチューセッツ工科大学助教授(政治学)。民族問題、内戦などを研究テーマにしている。
J. Alexander Thier 国際救済グループ(ICG)シニアアナリスト、スタンフォード大学フーバー研究所を経て、米平和研究所アフガン・パキスタン問題担当ディレクター。2003~2004年にはアフガンの憲法・司法改革委員会の顧問を務めた。専門は国家建設、破綻国家など。

2010年9月号掲載論文

中央集権体制型の民主主義はアフガンではうまく機能しなかった。このままでいくと、アフガンは分裂し、タリバーンが一部地域を支配し、他の地域は強権者たちがそれぞれ不安定な支配権を確立していくことになるだろう。この流れを覆すことはできるが、もはや中央集権的統治モデルの導入に固執するのは賢明ではない。アフガンの権力構造、地方における正統性への認識からみても、中央集権的統治モデルはアフガンでは機能しない。この国の主要な民族、宗派集団だけでなく、武装勢力の一部も取り込んだ、永続的な平和の枠組みを作るには、より多くのプレイヤーが参加する、柔軟で分権化された政治枠組みが必要だ。アフガンでの成功とは、「理想的な国家」と「受け入れられない国家」の中間に位置する状況へとアフガンの現状を改善していくことであり、そのためには、中央集権モデルではなく分権化モデルへと国家建設のギアを入れ替える必要がある。

  • 「アフガンでの成功」とは何か
  • アフガンに中央集権体制は似合わない
  • 中央集権化の試みはなぜ挫折したか
  • 安定した進化
  • 混合主権モデル
  • 受け入れ不可能なモデル
  • これまでの成果を生かすには

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2010 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top