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対イラン制裁ではウラン濃縮を阻止できない理由

ホセイン・G・アスカリ ジョージ・ワシントン大学教授

A Weakened but Resourceful Iran

Hossein G. Askari IMF、世界銀行などの顧問を経て、現在はジョージ・ワシントン大学教授(国際ビジネスおよび国際関係論)。専門はイスラム経済、中東地域の経済開発、金融など。

2010年9月号掲載論文

イラン経済は、政府の経済運営が根本的に間違っているために破綻途上にあるが、核開発路線を止めさせようといくら経済制裁を試みても、イランの民衆はウラン濃縮路線を支持しているし、政府の補助金政策に依存している。したがって、民衆の怒りや不満が核開発を試みる政府に向けられることはあり得ない。そもそも、経済制裁でイランを締め付けるのは無理がある。何を経済制裁の対象にしようが、世界が市場経済体制のもとにある以上、需要があれば、それを満たそうとする流れが生じるのは避けられないからだ。これまでもイランは、ウラン濃縮やミサイル開発に必要な機材を闇市場から調達してきたし、最近でも、ロシアから洗練された対空防衛システムを輸入している。・・・決定的な効果を持つ制裁とは、イランの中央銀行をターゲットにすることだ。中央銀行に対する金融制裁は、金融領域における「核兵器」並の破壊力を持っている。しかし、アメリカ政府には、そう決断する政治的意思がない。

  • イラン経済は破綻途上にあるが、…
  • なぜ制裁は機能しないか
  • 新しい制裁も決定打にはなり得ない

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