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ウクライナを ヤヌコビッチ大統領から救うには

アレクサンダー・モティル ラトガーズ大学政治学教授

Ukrainian Blues ―― Yanukovych’s Rise, Democracy’s Fall

Alexander J. Motyl 歴史家で、2001年に出版した『帝国の衰退、崩壊、そしてリバイバル』で、政治枠組みとしての帝国という概念を示した。現在、ラトガーズ大学政治学教授で、中央・東ヨーロッパ研究プログラムの共同ディレクター。

2010年8月号掲載論文

最終的に「ドタバタ劇場」と揶揄(やゆ)され、人々の期待を裏切る結果に終わった「オレンジ革命」を経て、ウクライナに誕生した新しい指導者は誰だったか。それは、皮肉にも、一度は手にしたかにみえた大統領ポストをオレンジ革命によって奪い取られたビクトル・ヤヌコビッチだった。ヤヌコビッチは、過去のマイナス・イメージを払拭する「民衆のための国、ウクライナ」という絶妙なスローガンを唱えて2010年2月の選挙でついに勝利を手にした。しかし、ヤヌコビッチは、まるでロシアへの忠誠を示すかのようなウクライナに不利な協定を結び、いまや国を裏切った指導者という烙印を押されている。しかも、適材適所とはかけ離れた政治的任命で組織されたヤヌコビッチ政権には、現在のウクライナに必要な経済改革を実行する能力も意思もない。人々の怒りと不満が行き所を失う前に、欧米、そしてロシアは、ヤヌコビッチに対して路線変更を迫り、混乱への道からウクライナを救い出さなければならない。

  • 経済と政治の安定に努めるはずが・・・
  • 裏切られた民主主義の約束
  • ロシアへの傾斜
  • 高まる社会不満
  • ウクライナに再生のチャンスはあるか
  • ウクライナを救うには

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