Classic Selection 2007
ヘッジファンド悪玉説は間違っている
Hands off Hedge Funds
2010年8月号掲載論文
ヘッジファンドのアナリストのなかで大きな成功を手にできるのは、企業や通貨の価格が本来の価値を示していないことを見抜き、さまざまな金融資産の価格の間に論理的には説明できない矛盾があることを突き止める能力を持っている人物たちだ。そのような大成功を収めるアナリストたちは、彼らだけではなく、投資家にも莫大な利益をもたらす。割安となっている資産を買い、割高となっている資産を売ることによって、市場価格の歪みが消失するまで彼らは市場価格を変動させ続ける。その結果、最終的には世界の資本の効率的な分配が実現される。ヘッジファンドが生み出すリスクと、一方でその活動がリスクを減少させることをバランスよくとらえる必要があるし、ヘッジファンドを金融システムに対する危険な火種とみなすのは適切ではない。むしろ、ヘッジファンドは金融システムが火に包まれないように配慮する消防士の役割を果たしている。
- ヘッジファンドは悪玉なのか
- ヘッジファンドの神話と真実
- ヘッジファンドのリスク管理機能
- ヘッジファンドはシステミック・リスクを誘発するか
- 不確実性の時代
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