バーゼルⅢを阻止すべき理由
―― 国単位の規制で多様な危機回避メカニズムを
Faulty Basel
2010年6月号掲載論文
金融危機の余波のなかにある現在、国際機関が規制調和に向けたアプローチを再定義しようと試み、バーゼルⅢが誕生するのではないかという憶測も飛び交っている。だが、国際的な金融規制は合理的対策とはなり得ない。それどころか、金融規制をめぐる国際合意が規制・監督の所在を不明確にしたために、危機を深刻化させてしまった部分がある。国際協調をつうじて金融機関を規制・監督しようと試みるのは重要だが、この試みを、国家レベルでの厳格な規制・監督の実施の代替策にはできない。各国がうまく考案された規制を導入するほうが、国際合意よりもはるかに大きな意味を持つ。むしろ、金融規制をめぐる各国の「多様な」取り組みを国際合意が阻害しないようにしなければならない。金融規制に関しては、国際合意が少なければ少ないほど良い。これがこの35年間の経験からわれわれが学ぶべき教訓だろう。
- 金融危機は国際協調では管理できない
- バーゼル委員会の誕生
- バーゼル規制が危機を深刻にした
- リーマンはなぜ破綻したのか
- 地方債市場はなぜ流動性を失ったか
- 次なる危機を防ぐには
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