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「新しいヨーロッパ」のポテンシャル
―― リスボン条約で欧州の何が変わるのか

アンソニー・ルザット・ガードナー 元米国家安全保障会議ヨーロッパ担当ディレクター
スチュアート・アイゼンシュタット 元駐EUアメリカ大使

New Treaty, New Influence
―― Europe’s Chance to Punch Its Weight

Anthony Luzzatto Gardner 国家安全保障会議ヨーロッパ担当ディレクターを経て、現在はパラモン・キャピタルパートナーズの役員。
Stuart E. Eizenstat 財務副長官、国務次官、商務次官、クリントン政権の米EU大使などを歴任。現在はワシントンにある法律事務所コビントン&バーリングのパートナー。

2010年5月号掲載論文

すでにEU加盟国は、国連、全欧安保協力機構その他の国際フォーラムで、同じ投票行動をとっている。この行動パターンは今後も続くだろうし、リスボン条約というEUを束ねる支えができた以上、今後ヨーロッパはますます一貫性のある外交路線をとるようになる可能性がある。だが、「ヨーロッパ」がこれまで外交的ポテンシャルをうまく生かせなかったとすれば、それは、加盟国政府がそう望んだからに他ならない。つまり、リスボン条約によって手続きと制度が改善されたと言っても、加盟国が最小公倍数的な外交政策のコンセンサスしか目指さず、国の特権にしがみつくようであれば、条約の前提は満たされぬままに終わる。だが、長期的には、リスボン条約によって、EUはより一体性、凝集力に富む国際的アクターになり、その言動は、世界の諸国により大きな影響を与えることになるだろう。

  • リスボン後のEUを左右するのは
  • ボスニア紛争の屈辱
  • 新しい外交担当上級代表の権限と限界
  • フルタイムの理事会大統領
  • 米欧関係は変化するか
  • EUとNATOの協力関係の強化
  • 「ヨーロッパ化」するヨーロッパ外交
  • 制度改革を終えたヨーロッパは外に目を向けよ

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