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CFRミーティング
米中貿易摩擦を回避せよ
―人民元改革よりも社会保障改革を求めよ

スティーブン・ローチ モルガン・スタンレー・アジア会長

Avoiding a U.S.-China Trade Showdown

Stephen S. Roach モルガン・スタンレー・ アジア会長。CFRで定期的に行われているワールド・エコノミック・アップデート(世界経済分析)の常連コメンテーター。

2010年4月号掲載論文

連邦準備制度理事会のバーナンキ議長は、将来における経済危機を避けるには米中間の巨大なグローバル・インバランスの是正に直ちに取り組む必要があると警告し、米議会のメンバーの多くも、米中の不均衡は人民元が過小評価されていることが元凶だとみなし、人民元の切り上げが必要だと考えている。だが、スティーブン・ローチは、人民元が過小評価されていることを貿易問題の元凶とみなすのは間違っており、そうした見方は、政治的なまやかしの類にすぎないと言う。インバランスの是正に向けて中国の国内消費を刺激するには、社会保障制度を整備するように北京に働きかけるべきだと提言する同氏は、アメリカの失業率の上昇と低成長が続くなか、米議会が保護主義的な対中法案を成立させれば、それこそ、ドル暴落のきっかけになりかねないと警告した。

  • 対中貿易問題など存在しない
  • ドルの暴落シナリオは

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