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エタノール燃料は本当に人と地球に優しいのか

C・フォード・ランゲ ミネソタ大学応用経済学・法学教授
ベンジャミン・セナウアー ミネソタ大学応用経済学教授

How Biofuels Could Starve the Poor

C. Ford Runge ミネソタ大学応用経済学・法学教授で、同大学の国際食料・農業政策センター(CIFAP)所長。専門は貿易や資源政策で、これまで米下院農業委員会のメンバーや米国際開発庁(USAID)の食料援助スタッフなどを務めた。
Benjamin Senauer ミネソタ大学応用経済学教授で、CIFAPの共同所長。これまでに米農務省経済調査局調査員、国際食糧政策研究所(IFPRI)客員フェロー、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)。

2007年5月号掲載論文

原油価格が高いレベルで推移し、一方で環境問題への関心が高まるなか、世界的に代替燃料としてのエタノールが注目を集めている。しかし、トウモロコシや大豆を原料とするエタノール生産は世界の穀物供給を逼迫させ、価格を高騰させている。メキシコのトルティーヤ粉だけでなく、サハラ砂漠以南、その他のアフリカ、アジア、ラテンアメリカの貧困地域の主食であるキャッサバの価格も2010年までに33%、2020年までに135%上昇すると考えられている。バイオ燃料の需要増によって主要産品の実勢価格が1%上昇するごとに、世界で食糧難に苦しむ人々の数は1600万人ずつ増えていく。しかも、栽培・生産のために多くのエネルギーを必要とするトウモロコシや大豆は、環境を汚染する作物だ。エタノールを真にグリーンで持続可能な代替燃料とするには、木や草のセルロースからの生産の実用化を期待するしかない。

  • エタノールバブル
  • バイオ燃料産業を左右する原油価格
  • エタノールの政治学
  • トルティーヤか車の燃料か
  • 木片、草からのエタノール生産を

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