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核不拡散と原子力の平和利用を両立させる道はあるか

チャールズ・ファーガソン 米科学者連盟会長

The Long Road to Zero

Charles D. Ferguson 米科学者連盟会長。2004年から2009年まで、シニア・フェローとして米外交問題評議会に在席した同氏は、アメリカの核政策に関するCFRタスクフォースのプロジェクトディレクターを務めた。

2010年3月号掲載論文

非核保有国が原子力発電用の原子炉を調達すれば、その分、核不拡散のリスクは高まっていく。原子力発電に切り替えるだけでは、有効な地球温暖化対策とはなり得ないが、原子力発電を新たに試みるに適した国が、厳格な安全基準、管理体制、核不拡散のガイドラインを受け入れるのであれば、核拡散のリスクを伴うとしても、原子力の平和利用を認めざるを得ない。また、核拡散を防ぐには、核能力を獲得することが自国の安全保障問題への解決策だと考えている国の安全保障上の不安を取り除き、核兵器を保有すれば国際関係において大国と同等の立場を手に入れられるとする間違った認識を正していく必要もある。この観点から、国連安保理の常任理事国に日本のような核を保有していない地域大国を迎え入れることも考えるべきだ。国際コミュニティは地域大国が抱く不安を取り除き、核を保有することで得られる過大な名声を剥ぎ取り、原子力エネルギーに非核保有国が抱く不合理な期待を引き下げていくように努力すべきだろう。そうすることで、核廃絶のビジョンを支えていくことができる。

  • 核のない世界を阻む三つの障害とは
  • 核拡散の連鎖
  • 今後に向けた三つの原則
  • 各国の安全保障上の懸念と不満を緩和させよ
  • 原子力発電と核拡散の間
  • 原子力技術へのアクセスを認める条件は何か
  • 世界エネルギー機関の創設を

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