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交渉学からみた
敵と交渉することの問題点と可能性

ディーパック・モルホトラ  ハーバード・ビジネススクール准教授

Without Conditions

Deepak Malhotra ハーバード・ビジネススクール准教授。専門は行動経済学。最近の著書に『交渉の秘訣 ―障害を克服し、交渉でいかにすぐれた成果を手にするか』(Negotiating Genius: How to Overcome Obstacles and Achieve Brilliant Results at the Bargaining Table and Beyond)がある。

2009年11月号掲載論文

敵対勢力との交渉に入ることに条件をつけたいという欲求の方が、相手との間に抱える懸案についての合理的な分析をし、微妙な論争を試みようとするインセンティブよりも大きい。このため、とかく政治的ご都合主義や単純な分析から交渉に入る条件が付けられてしまう。だが、このやり方は全くの逆効果で、実際には、交渉に入るための条件をまったくつけない方が、昨今におけるやり方、特にアメリカやイスラエルのやり方よりも外交交渉はうまく機能する。交渉を重視する賢明な外交政策も、交渉上の障害を可能な限り事前に取り除こうするあまり、逆に間違いを犯すことがある。安易に考案された交渉に入るための前提条件こそ、交渉による平和を勝ち取るための最大の障害となることが多い。

  • 交渉に条件を付けるべきか、付けざるべきか
  • 交渉に条件を付けることの問題とは
  • 敵対勢力に関与する
  • 交渉プレイヤー選択の間違い

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