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ブラックカーボンと低層オゾン対策を
―― もう一つの温暖化対策

ジェシカ・セドン・ワラック 金融管理研究所(IFMR)開発金融センター所長
ビーラバドラン・ラマナタン カリフォルニア大学サンディエゴ校教授(気候・大気科学)

The Other Climate Changers
―― Why Black Carbon and Ozone Also Matter

Jessica Seddon Wallack
金融管理研究所(IFMR)開発金融センター(インド・チェンナイ)所長。
Veerabhadran Ramanathan
カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス海洋研究所教授(気候・大気科学)、エネルギー資源研究所客員フェロー、09年度タイラー賞(環境業績部門)。

2009年10月号掲載論文

二酸化炭素排出量削減の恩恵は世界全体で享受できるが、削減コストは各国が負担しなければならない。このコストと恩恵のバランスの見極めが難しいために国際条約をまとめるのは難しい。一方で、リスクが小さく、費用対効果が高く、大きな成果が得られるのに、ほとんど注目されていないオプションがある。それは、光を吸収し(温暖化を進める)「ブラックカーボン(=黒色炭素)」として知られる炭素粒子、そして低層オゾンを形成するガスの排出を削減することだ。黒色炭素と低層オゾン前駆物質の排出量削減はさまざまな意味で有望だ。コストが比較的小さくて済む上に実行しやすく、何十年分もの温室効果ガスの悪影響を相殺し、数多くの恩恵が直ちに得られ、しかも、いますぐに着手できる。

  • 身近な温暖化対策
  • ブラックカーボンと低層オゾン   
  • 簡単な対策
  • 政治的障害が少ない対策
  • いかに途上国を排出削減に向けて支援するか
  • 気候変動と大気汚染への統合アプローチを
  • リスクが低くポテンシャルが高い戦略

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