コペンハーゲンの「不都合な真実」
―― グローバルな合意への期待を引き下げ、国単位の対策を優先させよ
Copenhagen’s Inconvenient Truth
2009年10月号掲載論文
温室効果ガス排出量削減の世界的取り組みが、一つのグローバルな条約を基盤に展開していくことはあり得ないし、2009年12月に包括的な合意が成立する見込みもほとんどない。地球環境対策を強化したいと考えている政府官僚や活動家は戦略を見直すと同時に、コペンハーゲン会議への大きな期待を引き下げるべきだ。グローバルな条約ではなく、野心的な国単位の政策と、排出量削減のための特別な機会に焦点を合わせたクリエーティブな国際協調を組み合わせた「ボトムアップアプローチ」を試みるべきだ。コペンハーゲンでの交渉の目的を、先進国の排出量削減へのコミットメントを強化し、途上国の環境対策を経済成長、安全保障、大気汚染など、途上国の指導者がすでに心配し始めている他の領域の問題へとリンクさせる程度へと引き下げない限り、会議はなんの成果も得られないまま終わることになる。
- 合意が成立する見込みはほとんどない
- 途上国に何を求めるか
- ボトムアップアプローチへと発想を切り替えよ
- 中国、インド、ブラジルといかに協力するか
- 基層合意と二国間合意のブレンドを
- 温暖化の緩和と温暖化への適応
- MRV(計測、報告、検証)の重要性
- 国単位の対策を優先せよ
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