イランの行動論理を解明する
―― イランとの和解を
実現する直接交渉を
Tehran’s Take ― Understanding Iran’s U.S. Policy
2009年8月号掲載論文
イランとアメリカはポーカーゲームをしているようなものだ。テヘランは核開発に関する手の内を見せようとせず、一方ワシントンは、イランに対する軍事攻撃という選択肢を外そうとはしない。ワシントンが有利な情勢にあるが、有利な側がつねにゲームに勝つとは限らない。ワシントンは、アルカイダを打倒し、アフガニスタンとイラクを安定させるというイランとの共有認識をもとに、30年に及んでいるイランとの敵対関係にピリオドを打つべきだろう。テヘランも、アメリカが重視する問題をめぐってワシントンとの合意を形成しないことには、地域大国に台頭したことからの恩恵を引き出せないどころか、すでに手に入れているものの多くを失うリスクが生じることを理解しなければならない。両国が共有する利害に注目し、残された立場の違いを埋めていくための直接交渉枠組みを立ち上げるべきだ。
- ハメネイの絶対権力
- 飢えたオオカミと太ったヒツジ
- イランの抑止戦略の4つの要因
- アメリカの封じ込めにイランはどう対抗してきたか
- イランの地域的な台頭
- アフガンとイラクについての米・イランの立場
- 全面的な対イラン・エンゲージメントを
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