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米ロ関係の歴史的転換は実現するか
―― 戦略的パートナーシップを実現させるには

ロバート・レグボルド  コロンビア大学名誉教授(政治学)

How to Move Toward a Strategic Partnership

Robert Legvold
コロンビア大学名誉教授、専攻は政治学、専門はロシア、比較政治など。現在、アメリカ人文科学アカデミーでロシア政策再考プロジェクトのディレクターを務めている。

2009年8月号掲載論文

下手をすると、アメリカ、ロシア、中国間のせめぎ合いが今後の世界を規定することになりかねない。そんな事態にならないようにすることがアメリカの現大統領、そして次期大統領の重大な外交課題だ。オバマ大統領は、摩擦と対立という局面を繰り返した米ロ関係の不毛な10年に終止符を打ち、両国を前途有望な未来へと向かわせる大きなチャンスを手にしている。ワシントンは、対ロ政策を小手先でいじるのではなく、新しいページをめくるべきだし、そのためには戦略的ビジョンが必要になる。そうしたビジョンを基にロシアとの協力関係を実現できれば、アメリカとロシアは、広大な旧ソビエト圏内外の動揺を緩和し、一方で中国やインドなどの新興国を新しい国際秩序に取り込んでいくことに向けて協調できるはずだ。米ロの戦略的パートナーシップの本質はこうした目的を実現することにある。

  • 米ロシア関係は歴史的岐路にある
  • 米ロ関係のリセットの行方
  • モスクワの状況認識は変化している
  • 核軍縮、イラン、アフガンをめぐる米ロ協調の可能性は
  • 四つの安全保障課題のための対話チャンネルの確立を
  • 米ロ協調の歴史的なチャンス

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