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タリバーンを切り崩して、
平和を勝ち取るには
―― アフガンの国民和解に向けて

フォティニ・クリスティア マサチューセッツ工科大学政治学助教授
マイケル・センプル 南アジア研究者

Flipping the Taliban ― How to Win in Afghanistan

Fotini Christia 
ハーバード大学博士課程を経て、2008年秋から、マサチューセッツ工科大学政治学助教授に。専門は民族問題と内戦。アカデミックな研究だけでなく、アフガンを含む中央アジア、中東に関する論説記事をメディアで発表してきた。
Michael Semple
アイルランド出身のアフガン、パキスタンの研究者で、タリバーンと接触し、対話を試みた経験がある。タイム誌電子版(2007年12月27日)によれば、欧州連合(EU)のアフガン・ミッションの責任者だったセンプルは、国連のメルビン・パターソンとともに、タリバーン武装勢力と接触し、交渉を試みたという理由で「アフガンの国益に反する行動をとった」とされ、同国政府によってアフガンから追放された。

2009年8月号掲載論文

いまやタリバーンはカブールに近づきつつあり、攻略した地域に新たな行政組織を樹立し、イスラム法廷システムを持ち込みつつある。オバマ政権によるアフガンへの米軍増派策が、現地でのこうした厄介な流れを食い止めることに一時的には貢献できるかもしれない。だが、タリバーン勢力を打倒するための軍事・政治戦略に国民和解というアジェンダを埋め込む必要がある。和解に応じる気のあるタリバーンの信頼を勝ち取るとともに、和解を拒絶する勢力は粉砕するか、拘束しなければならない。国を占領して、武装勢力をいくら殺害し、拘束しても、彼らを粉砕することはできない。敵の中から友人にできる勢力を探しださなければならない。アフガンでは、信頼できる国民和解戦略をとるほうが、軍事力や戦場での軍事的勝利にだけこだわるやり方よりも、安定を実現できる可能性ははるかに高い。

  • アフガン増派策を補完する政治戦略を
  • 良いタリバーンと悪いタリバーンを区別せよ
  • 再度、タリバーンへの国民和解アプローチを
  • 平和に必要な代価を考える
  • パキスタンに目を向けよ
  • 勝てない戦争のための外交的解決策

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