CFRミーティング
金融危機の教訓
― ドルの暴落とインフレの危機がやってくる?
Lessons of the Financial Crisis
2009年7月号掲載論文
「今回の(金融)危機の進展と政府の政策の余波は重なり合っている。たとえば、低所得世帯向けローン拡大策が、米投資銀行のレバレッジの拡大を招いた。・・・低所得世帯やマイノリティーの持ち家比率を上げることは政策の優先課題だった。ハイリスクローンの拡大を未然に防ごうとしても、おそらくそれを押さえ込もうとする政治的抵抗を受けていただろう。・・・いずれ米政府は自らが市場に吐き出した資金を吸い上げようと、最大1兆ドルの民間資産をあわただしく市場で投げ売りすることになるだろう。しかし、実際のFRBの行動は迅速性と積極性を欠くものになる可能性がある。そうなれば、米国債は大幅に下落し、長期金利の急上昇とドルの急落を招き、その半年後から1年後にはインフレ率が大幅に上昇することになる」。
- 政治がアメリカのレバリッジ体質を煽り立てた
- 住宅バブルの実態と銀行の立場
- なぜユーロ圏周辺諸国が大きなダメージを受けたか
- 次の危機はドルの暴落とインフレ?
- カバナンスの担い手は政府か市場か
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