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金融制裁と銀行の役割
―金融でならず者国家を孤立させるには

レイチェル・L・ロフラー 前米財務省グローバルアフェアーズ担当 副ディレクター

Bank Shots: How the Financial System Can Isolate Rogues

Rachel L. Loeffler 前米財務省グローバルアフェアー担当副ディレクター。2007~08年には米外交問題評議会(CFR)の国際関係フェローシップのもと、バージニア大学のミラー・パブリック・アフェアーセンターで研究している。

2009年5月号掲載論文

北朝鮮やイランを標的とするアメリカの最近の金融外交は、各国の政府だけでなく、民間の金融機関にも協力を求めるようになり、その結果、金融制裁はかなりの成果を挙げるようになった。ワシントンは要注意のブラックリストを公表し、各国の銀行はこのリストから疑わしい資産を突き止め、怪しげな取引を阻止し、問題のある個人や組織が世界の金融システムを悪用するのを食い止めようと試みている。銀行がこうした制裁措置に協力するのには訳がある。意図的ではなくても、「テロや核兵器の拡散に手を貸している」と新聞で報道されれば、そのブランドが大きく傷つき、ビジネス上の大きな痛手となるからだ。金融制裁は今後も問題国家に対する大きなツールになる。だが、脅威と金融システムが交錯するポイントを明確にせずに、安易に制裁措置を乱発すれば、金融措置を実施する主体である銀行側の協力を得られなくなる恐れがある。

  • 金融制裁と銀行
  • 対北朝鮮金融制裁とバンコ・デルタ・アジア
  • イランに対する金融制裁の変遷
  • 取引コストの増大と制裁逃れ
  • いかに官民の連携を育んでいくか

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