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アメリカは日本の「失われた10年」と同じ道をたどるのか
―― 日米のバブル崩壊を検証する

リチャード・カッツ/オリエンタル・エコノミスト・レポート誌編集長

The Japan Fallacy: Today's U.S. Financial Crisis Is Not Like Tokyo's "Lost Decade"

Richard Katz オリエンタル・エコノミスト・レポート誌編集長。『不死鳥の日本:経済復活への長い道のり』著者。

2009年4月号掲載論文

日本経済の「失われた10年」はその政治経済体制に深く根ざしていた。雇用を保護し、生産性の低い国内の企業と産業を守るために規制が張り巡らされ、企業間の談合がまかり通っていた。結局は、このような政治経済システムが生産性の向上と経済成長のポテンシャルを抑えこんでしまった。対照的に、2007年~2008年に起きたアメリカのサブプライム・モーゲージ・ローンをめぐる大失策は、日本のような「手に負えない構造的問題」ではなく、主に行き過ぎた(規制緩和)イデオロギーと金融ロビイストの影響力が重なり合って引き起こされた政策上の間違い、それも修正可能な間違いに派生している。もちろんアメリカの金融危機には、日本の場合よりもはるかに憂慮すべき側面が一つある。それは、アメリカの金融危機がグローバルな波及効果を持っていることだ。だが、悲観論に陥る必要はまったくないし、「アメリカの失われた10年」を懸念する必要もない。……

  • 日本の失われた10年の実態とは
  • アメリカの金融危機はなぜ起きたか
  • シャドー・バンキングの暴走
  • 日米の対応策の違いからの教訓

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