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イラクを超えて
――中東への包括的な新アプローチを

リチャード・N・ハース  米外交問題評議会会長
マーチン・インディク  ブルッキングス研究所セバン中東センター所長

Beyond Iraq
A New U.S. Strategy for the Middle East

Richard N. Haass 米外交問題評議会会長。ブルッキングス研究所副会長、ブッシュ政権の国務省政策企画局長を経て、現職。2007年にフォーリン・アフェアーズで発表した無極世界論(「アメリカの相対的衰退と無極秩序の到来」フォーリン・アフェアーズ日本語版5月号)が世界的話題となった。
Martin Indyk ブルッキングス研究所セバン中東センター所長。元駐イスラエル米大使。

2009年3月号掲載論文

イランは、秩序を不安定化させる危険な核開発プログラムの開発に向けて着実に歩を進めている。オバマ政権は、条件をつけることなく、テヘランに公式に交渉を申し入れるとともに、イラクのこれまでの進展を維持するために米軍撤退を慎重に進め、中東和平、特にイスラエルとシリアの和平に力を入れていく必要がある。これらを連動させ、成功へと導くには一つの領域での行動の結果が、他の領域でアメリカが実現しようとしていることにどう作用するかを想定し、避けられない混乱に直面しても路線を維持できるような統合戦略をとる必要がある。

  • なぜアメリカは中東に引きずり込まれるのか
  • 低下したアメリカの影響力をどう立て直すか
  • エネルギー消費の削減は外交ツールになる
  • イラクからの「慎重な撤退」を
  • イランの影響力拡大を警戒するアラブ国家
  • イランが核開発能力を手にすれば……
  • 対イラン路線をめぐる中ロの支持を取り付けるには
  • イラン関与の条件
  • イスラエルへの配慮
  • 対イラン・イニシアティブのポイントとは
  • ダマスカスへの道
  • パレスチナ問題の現状
  • 中東和平交渉に向けた環境整備
  • ハマスにどう対処していくか
  • 路線を維持せよ

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