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イランの権力と政治構造を解明する
――ハメネイの絶対権力を崩さなければ、何も変わらない

アクバル・ガンジ イラン反体制派ジャーナリスト

The Latter-Day Sultan: Power and Politics in Iran

Akbar Ganji イラン人反体制派ジャーナリスト。2000年から2006年までテヘランで投獄された経験を持ち、彼の著作は現在イラン国内では発禁処分とされている。邦訳文は、2008年2月6日にウェブサイト(www.akbarganji.org)にペルシャ語で掲載されたガンジによる論文のニロウ・モバセルによる英訳を基にしている。ガンジの最近の著作は『イランの民主主義への道 ("The Road to Democracy in Iran ") 』

2008年12月号掲載論文

現在のイランが直面する苦境を招き入れたのは誰の責任か。1人を名指しするとすれば、それはイランの最高指導者として過去20年にわたって絶対的な権力を保持してきたハメネイだ。実際、あらゆる権力を牛耳っているのはハメネイで、アハマディネジャドが2009年の大統領選挙で敗れても、事態は何も変わらないだろう。特に外交分野では変化を期待できない。今後イランが本当に変わるとすれば、イラン人が現在のスルタン国家体制を超えて動きだす方法を見つけたときだけだろう。これまでのワシントンの最大の関心は、イスラム共和国の核開発プログラムを阻止し、中東地域におけるイスラエルの戦略的優位を確保することにあった。一方、イラン人の反体制派、人権活動家、民主活動家の目的は、非暴力的なやり方で、自由、人権、連邦主義を模索する民主政治制度を導入することにある。イランと交渉していくつもりなら、ワシントンはハメネイの絶対権力、そして、イランの民主化勢力の立場に十分配慮しなければならない。

  • 諸悪の根源はアハマディネジャドか?
  • 何も変わらないイラン政治の現実
  • ハメネイとスルタニズム
  • ハメネイへの絶対権力の集中
  • 最高指導者の軍部への影響力拡大
  • 対米関係の変遷
  • 核開発問題
  • イラン、イスラエル、アメリカ
  • ワシントンとイランの反体制派の立場の違い

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