dlewis33/istock.com

民主国家連盟か、中ロを含む大国間協調か
 ――ブッシュ後の世界秩序の試金石

チャールズ・A・クプチャン ジョージタウン大学教授

Minor League, Major Problem: The case against a League of Democracy

Charles A. Kupchan プリンストン大学助教授、クリントン政権の国家安全保障会議スタッフを経て、現在は米外交問題評議会(CFR)の欧州研究プロジェクトのディレクターで、ジョージタウン大学の教授も務める。

2008年11月号掲載論文

民主国家が、今後の世界が多極化と政治的多様性に特徴づけられていくことを理解しないままに、民主国家連盟構想を実現しようと試みても、期待するような「歴史の終わり」という局面への道を切り開いていくことはできない。結局は行き止まりに遭遇するだけだ。新しいグローバルな秩序を誕生させるには、ワシントンとヨーロッパは、台頭する権威主義国家への認識を変えるとともに、北京とモスクワも欧米に歩み寄る必要がある。ワシントンは多様な政体から成る多極世界において、辛抱強く、しかも穏やかに行動していくことを学んでいかなければならない。そのためには、地域内の危機に対処できるように地域機構の能力を整備して強化し、世界の新たなパワーバランスを反映するように国連安保理を改革するとともに、また、主要経済国のフォーラムであるG8を、アメリカ、EU、日本、ロシア、中国、インドで構成されるG6とし、大国間協調の枠組みへと変化させていく必要がある。民主国家連盟構想では、解決策にならない。

  • 新大統領は民主国家連盟構想を推進すべきではない
  • 連盟支持派の立場
  • 連盟構想の問題点
  • 民主的連帯の限界
  • 民主国家による正統性という虚構
  • 民主的な平和
  • 誰も参加しない同盟?

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2008 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top