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石油戦略備蓄の効果を最大化するには
――備蓄量ではなく、備蓄の管理体制に目を向けよ

デビッド・G・ビクター 米外交問題評議会非常勤シニア・フェロー
サラ・エスクレイス・ウィンクラー 元米外交問題評議会・国家安全保障担当研究員

In the Tank

David G. Victor スタンフォード大学教授で、同大学の「エネルギー及び持続可能な開発プログラム」のディレクター。米外交問題評議会(CFR)科学技術担当非常勤シニア・フェローも務める。
Sarah Eskreis-Winkler 元CFR国家安全保障担当研究員。

2008年7・8月号掲載論文

「石油の供給ショックに備えた石油の備蓄を準備しておけば、世界の石油供給の混乱に対する内外のショックへのバッファーにできる」。これが戦略備蓄の構築に向けたロジックだった。たしかに、カトリーナやリタなどのハリケーン災害など、短期的な危機の場合には、戦略備蓄の放出をめぐる国際協調がうまくいくこともあるが、石油供給がひどく混乱し、何としてもまず自国を救いたいと各国が考えるような切実な危機の際には、うまく協調できないことが多い。より優れたシステムをつくるには、備蓄の量ではなく、むしろ、この備蓄をどれだけうまく管理できるか、つまり、いかにタイミングよく備蓄を積み増し、あるいは放出するかを判断する、政府から独立した組織を新たに持つ必要がある。そして、資金の流動性を独自の判断で調整する中央銀行こそ、石油の戦略備蓄を管理する組織の格好のモデルとみなせる。

  • 戦略備蓄の量よりも管理に目を向けよ
  • 戦略備蓄はなぜうまく利用されていないか
  • IEAルールと各国の戦略備蓄の限界
  • FRBをモデルとする石油備蓄委員会を
  • 輸入量ではなく、消費量に応じた備蓄を
  • ショックを緩和するには

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