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新しい中東戦略を提言する
 ――イラン封じ込め戦略は間違っている

バリ・ナサル  フレッチャースクール法律外交大学院国際政治学教授
レイ・タキー  米外交問題評議会シニア・フェロー

The Costs of Containing Iran

Vali Nasr フレッチャースクール法律外交大学院国際政治学教授、米外交問題評議会(CFR)中東担当非常勤シニア・フェロー。『シーア派の復活――イスラムの内部対立が未来に与える影響 (The Shia Revival: How Conflicts within Islam Will Shape the Future) 』の著者。
Ray Takeyh CFRシニア・フェロー。『隠されたイラン――イスラム共和国のパラドックスと影響力(Hidden Iran: Paradox and Power in the Islamic Republic)』の著者。

2008年6月号掲載論文

1980年代にアメリカは(シーア派の)イランを封じ込めようとアラブ諸国政府を動員したが、その結果、スンニ派の政治文化を急進化させ、ついにはアルカイダを誕生させてしまった。今回も、同様に忌まわしい結末に直面する危険がある。
  イラン封じ込め戦略は、シーア派のイランに対抗する思想的な防波堤としてスンニ派過激主義思想を助長するだけに終わるかもしれない。これまでのように中東のパワーバランスを回復することを目指すのではなく、地域の統合を働きかけ、すべての関係勢力が現状を維持することに利益を見いだすような新たな枠組みをつくり上げることを目指すことこそ、ワシントンにとって賢明な選択のはずだ。

  • イラン封じ込めという幻
  • イラン封じ込めはスンニ派の過激主義を助長する
  • イラクへの関与と中東における新枠組みの構築を

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