人民元の切り上げ要求は間違っている
Reconsidering Revaluation
2008年4月号掲載論文
ワシントンでは人民元の切り上げで米中間の貿易不均衡を是正できると考えられているが、そもそも貿易不均衡は米議会が考えているほど大きな脅威ではない。中国の貿易黒字の拡大を、中国が世界経済、そしてアメリカの企業と消費者に数多くの利益をもたらしている結果とみなすこともできる。
……人民元の切り上げを求めていかに熱い議論を展開し、仮にそれが実現するとしても、アメリカの対中貿易赤字が削減するとは考えにくい。むしろ、中国の経常黒字を減らし、貿易収支を均衡させると思われるのは、中国の税制改革、企業・金融部門の改革、段階的な企業の財務状況の公開、内需拡大の奨励策だろう。
より重要で大きな課題は、中国のグローバル経済への統合プロセスをいかにしてうまく成功させるかだ。そのためには、9番目のメンバーとしてG8に中国を迎え入れるための改革を行うべきだ。
- 実体のない脅威への間違った処方箋
- 人民元切り上げのリスク
- 中国のグローバルな貿易赤字
- 通貨切り上げを超えて
- グローバルプレーヤーとしての中国
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