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ミャンマー軍事政権への多国間アプローチを調整せよ

マイケル・グリーン 戦略国際問題研究所日本部長
デレク・ミッチェル 戦略国際問題研究所上級研究員

Asia's Forgotten Crisis

Michael Green ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)上級アジア部長、国防総省の日本問題コンサルタントを経て、現在は戦略国際問題研究所(CSIS)日本部長で、ジョージタウン大学の准教授(国際関係)も兼任。
Derek Mitchell 米国防長官事務局のアジア太平洋担当特別顧問を経て、CSIS国際安全保障担当シニア・フェロー兼アジア戦略部長。

2008年1月号掲載論文

麻薬・武器の密輸、HIVの拡散など、ミャンマーの軍事政権は国内の人権問題や抑圧だけでなく、国境地帯を不安定化させて近隣諸国も脅かしている。これまで、アメリカはミャンマーとの外交関係を制限し、ヨーロッパも政治改革の断行を強く求めてきたが、アジア諸国の多くは、軍事政権との貿易、援助、外交関係を拡大してきた。幸い、こうした国際社会の矛盾したアプローチも変化しつつある。東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本はすでにミャンマーへの建設的関与路線を見直しつつある。内政不干渉の原則を固持し、資源調達がらみの思惑からミャンマーを支援してきた中国とインドにも再考を促す必要がある。各国がそれぞれ一定の譲歩を示し、政策を調整することによって、共通の目標に向けて状況を進めていかなければならない。ミャンマー制裁を他の関与策とバランスよく組み合わせて包括的に実行しなければならない。ミャンマーがさらに孤立して自暴自棄に陥り、失われた世代が生まれるのを傍観するわけにはいかない。人道的な理由もさることながら、ミャンマーは東南アジアの安全保障と統合を阻む未解決の深刻な課題なのだから。

  • 国際社会の対応の乱れ
  • ミャンマーがつくりだす問題
  • 変化するASEAN、日本の対ミャンマー路線
  • 中国とインドがつくりだす障害
  • バランスのとれた関与政策を

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