中国の環境破壊はなぜとまらないか
The Great Leap Backward?
2007年10月号掲載論文
中国の指導者は大胆な環境対策の目標を設定し、環境保護に向けた投資を増やすと表明し、企業や地方政府にそれぞれ環境浄化に努めるよう強く求めだしている。国際社会も「北京も環境保護に向けた新たな路線をとりだした」と思い込んでいるようだ。しかし、こうした国際的反応は、「北京が号令をかければ物事が進む」という誤った思い込みを前提にしている。北京は国としての目標は設定できても、政策の実施面を管理しているわけではない。現実には、地方政府が北京の環境保護指令に注意を払うことはめったにない。むしろ、地方政府はもっぱら経済成長のさらなる推進にエネルギーと資源を注ぎ込んでいる。中国の環境保護政策の方向転換を図るには、環境保護に向けた目標を設定したり投資したりするよりもはるかに困難な、抜本的な政治経済制度の改革が最終的には必要になる。
- 北京が号令をかけても地方は動かない
- 大気汚染と土壌汚染の現実
- 水資源の浪費と水質汚染
- 中国の環境汚染の国際的余波
- 環境保護と政治
- なぜ地方政府は環境対策に熱心でないか
- NGOとメディアの役割
- 環境対策と政治改革
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