貧困対策より環境保護を
優先する理由はあるのか
――開発、環境、社会正義の連鎖と優先順位
Recovering Sustainable Development
2007年8月号掲載論文
経済発展を促進し、環境を保護するとともに、社会正義を実現するという三つの目標は矛盾するものではなく、相互補完的な関係にあるとした「持続可能な開発」の概念はいまや陳腐化してしまった。人権保護団体、環境保護団体、原子力発電企業が、これを、自分たちに都合のよい概念につくり変えただけでなく、国連の場で実現不可能な普遍的アジェンダとされてしまったからだ。持続可能な開発の概念を生き返らせるためには、普遍的アジェンダを掲げるのではなく、優先順位の設定と実施に関する意思決定を各地域の主体に委ねるべきだ。地域の必要性と利益がそれぞれに異なる以上、持続可能な開発を実践する場合は、必ずボトムアップ型のアプローチによる目標の再設定を繰り返していく必要がある。
- 持続可能な開発をめぐる概念的混乱
- リオ・サミットがもたらした弊害
- 崇高な理念とお粗末な政策の構図
- 貧困問題対策を最優先に
- 環境保護が開発を妨げる
- 現地の視線で考えよ
- 技術開発
- 原点に立ち返れ
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David G. Victor スタンフォード大学教授。エネルギー及び持続可能な開発プログラム・ディレクター。米外交問題評議会(CFR)科学技術担当非常勤シニア・フェロー。