CFRインタビュー
ムシャラフ大統領の内憂外患
――選挙を控えたパキスタンの混迷
Pakistan Facing Question on How to Handle Extremists
2007年8月号掲載論文
チョードリ最高裁長官の停職処分に端を発する民衆デモ、モスク占拠事件に対する政府の対応への反発など、ムシャラフ大統領は、パキスタン国内で非常に困難な政治状況に直面している。外交面でも、パキスタンに聖域を持つタリバーンがアフガニスタンへの越境攻撃を続けているために、アフガニスタンとの関係が不安定化し、タリバーン対策を求めるアメリカの圧力にもさらされている。米軍部隊によるタリバーンの聖域に対する攻撃計画の噂も絶えない。しかも、2007年秋には大統領選挙を控えており、ムシャラフが大統領と軍参謀長を兼務していることが大きな争点の一つとされている。国務省で長く南アジアを担当したテレシタ・C・シャッファーは「ムシャラフが、大統領と参謀長を兼務し続けた場合、裁判所には憲法違反の申し立てが行われ、おそらくこのケースについては、裁判所は起訴側の言い分を認めるかもしれない。そうなれば、事態はもっと複雑になる」と予測する。しかも、解散を間近に控えた議会が大統領を選出することの政治的正統性を疑問視する声もある。「裁判所がムシャラフに対してどの程度好意的な解釈を示すかはわからないが、このまま大統領選挙を実施し、ムシャラフが再選されても、反対派による政治的抗議の焦点とされる」とシャッファーは言う。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
- ムシャラフが直面する政治問題
- 大統領選挙はどうなるか
- 大統領がなぜ参謀長を兼務したがるのか
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