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5年前アメリカの研究者は、安倍政権と日本をどうみていたか
――安倍政権のアジェンダ

◎スピーカー
ケント・E・カルダー
ジョンズ・ホプキンス大学教授
ライシャワー・センター所長
マイケル・グリーン
戦略国際問題研究所(CSIS)
日本部長
◎司会
マーク・マニーン
米議会調査局(CRS)
アジア担当研究員

The Abe Agenda: Japan on the World Stage

Kent E. Calder ジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー・センター所長。過去に駐日米国大使特別補佐官、CSIS日本部長、プリンストン大学教授を歴任。
Michael Green ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)上級アジア部長、国防総省の日本問題コンサルタントなどの要職を歴任。現在は戦略国際問題研究所(CSIS)日本部長で、ジョージタウン大学の准教授も兼任

2007年3月号掲載論文

安倍政権は、オーストラリアとの安全保障関係、インドネシアとのパートナーシップを形成し、国際環境を形づくるために「民主主義と市場経済」というグローバルな規範を持ち出し、これまでの経済的影響力だけをツールとする戦略を一新した。その背景には、経済的ツールだけではもはや国際環境に対処できないという読みがある。……ある人にとってのナショナリズムが他の人にとっての愛国主義であることもある。安倍首相が求めている国家としての誇り・プライドについては、アメリカ人も理解している。日本人に……誇りを持って欲しいし、日本が国際的な役割を果たし、繁栄と安定の要として機能して欲しいと願っている。(M・グリーン)

政治構造的に、日本が将来を見据えた決意ある政策を表明することはあり得ない。選挙制度、政治的伝統その他の要因によって、日本の政策決定はどうしても視野の狭いものになりがちだ。国内志向が強いということもできる。潜在的なパートナーとしての日本という点では……日米関係が、米英関係のような存在になるとは考えにくいと私は思う。……文化的な違いゆえに、日本は経済領域を中心としたパートナーに留まると思う。(K・カルダー)

  • グローバルな視野を持つ安倍外交
  • アジアと日本
  • なぜ日本は変化しないのか
  • アジアで孤立し、世界で評価される日本
  • 日本の保守化、歴史問題、ナショナリズム
  • 米朝合意と日米の亀裂?

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