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感情の衝突
―― 恐れ、屈辱、希望の文化と新世界秩序

ドミニク・モイジ フランス国際関係研究所上席顧問

The Clash of Emotions

Dominique Moisi フランス国際関係研究所の創設者で、現在は同研究所上席顧問。中東問題、核戦略など外交全般に通じた、フランスを代表する外交専門家。

2007年1月号掲載論文

西洋世界は「恐れの文化」に揺れ、アラブ・イスラム世界は「屈辱の文化」にとらわれ、アジア地域の多くは「希望の文化」で覆われている。アメリカとヨーロッパは、イスラム過激派テロを前に恐れの文化を共有しながらも分裂し、一方、イスラム世界の屈辱の文化は、イスラム過激派の思想を中心に西洋に対する「憎しみの文化」へと姿を変えつつある。かたや、さまざまな問題を抱えているとはいえ、中国、インドを中心とするアジア地域の指導者と民衆は、西洋とイスラムの「感情の衝突」をよそに、今後に向けた期待を持っており、経済成長が続く限り、アジアでは希望の文化が維持されるだろう。恐れの文化、屈辱の文化、そして希望の文化のダイナミクスと相互作用が、今後長期的に世界を形づくっていくことになるだろう。

  • 三つの文化
  • 恐れの文化
  • 屈辱の文化
  • 希望の文化
  • 何をなすべきか

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