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CFRインタビュー
ブッシュ政権のイラク新路線と
二つのギャンブル

リチャード・N・ハース 米外交問題評議会(CFR)会長

Re-Americanization of Iraq Policy

Richard N. Haass 米国防総省、国務省勤務を経て、ブルッキングス研究所副会長。ジョージ・W・ブッシュ政権の国務省政策企画局長を経て、2003年7月から米外交問題評議会(CFR)会長。ブッシュ政権内ではアフガニスタン特使、コリン・パウエル前国務長官の外交顧問も務めた。

2007年1月号掲載論文

ブッシュ政権は、「イラクへの米軍増派という賭け」に打って出ただけでなく、「イラクのマリキ政権が大きな変貌を遂げ、シーア派主導の政府よりも、国民和解政府の実現を試みていくこと」に賭けている。イラク政府が国民和解を実現できるかどうかが今回のギャンブルを左右するもっとも重要なポイントとみなすリチャード・ハースは、「ブッシュ政権の賭けが実を結ぶように期待したいが、マリキ首相や彼の側近が、特定の宗派ではなく、イラク国家の指導者としてのアイデンティティーを意識しているようには思えない」と語る。米軍の増派でアメリカがイラクで成功する見込みを高められると大統領は考えているのかもしれないが、イラクからの撤退を検討せざるを得ない状況に陥るリスクも高めてしまったとみるハースは、有り体に言えば、米軍の増派決定など戦略とは呼び得ないし、米軍の増派を中心とする政策路線で、状況を改善できるとは考えられないと語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

  • ブッシュ政権の一か八かの賭け
  • 外交路線を軽視した
  • 増派策の成果は期待できない

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