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Review Essay
中国の政治経済体制の今後を検証する
――民主化、崩壊、それとも現体制の存続?

アンドリュー・J・ネーサン コロンビア大学政治学教授

Andrew J. Nathan コロンビア大学の政治学教授で、専門は中国。最近の著書に、ブルース・ジリーとの共著『中国の新しい支配者』がある。アメリカに持ち込まれた天安門事件に関する中国政府内部文書をまとめた天安門ペーパーの編集人の一人としても知られる。

2006年11月号掲載論文

中国の民主化、崩壊シナリオを唱える人がいる一方で、現体制の存続を予測する人もいる。農村部の貧困や不良債権問題など、山積する課題に直面しているとはいえ、現体制が崩壊する気配はないし、一方で、民主化プロセスが進展する様子もない。 実際、中国の実験は、近代化路線を導入しても、権威主義体制の基盤を損なうことなく繁栄を手にできることを実証しつつあるのかもしれない。カザフスタンからイランまでの独裁政権が、中国の状況を、固唾をのんで見守っているわけはここにある。中国の歴史の流れを大きく変化させるものがあるとすれば、それは、内的要因よりも、むしろ、外からの衝撃かもしれない。アメリカ経済が衰退すれば、経済成長を前提とする中国における社会契約が崩壊してしまうかもしれないし、朝鮮半島で戦争が起き、感染症が蔓延した場合も同様に流れは大きく変化する。

  • <中国の今後に関する三つのシナリオ>
  • <改革の停滞>
  • <今後中国はどうなるのか>

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