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フランスのイスラム教徒問題
―― 真の問題はフランスそのものにある

ステファニー・ジリ フォーリン・アフェアーズ誌シニア・エディター

France and Its Muslims

Stephanie Giry フォーリン・アフェアーズ誌シニア・エディターでフリーランスのライター。ジャーナリストに転向する前は大企業や国連で国際法務に従事。

2006年10月号掲載論文

ヨーロッパで生まれたイスラムテロにどう対応するかは重要な課題だが、イスラムテロとイスラム教徒が安易に結びつけられているために、現在ヨーロッパに住む1500万~2千万人のイスラム教徒のほとんどがイスラム過激派とは無関係であり、ヨーロッパ社会に反発して背を向けるどころか、現地社会に溶け込もうと努力しているという重要な事実が見えにくくなっている。イスラム地区における犯罪発生率が高いとしても、それは宗教とは関係なく、フランス国内の社会経済環境を背景としている。フランスの移民問題を「文明の衝突」としてとらえるのではなく、フランスのエリートは、経済停滞、小さな違いを認めない非寛容的な態度、世論の場でのイデオロギー論争、政治的策略の横行といった国内の真の問題に取り組んでいくべきだろう。

  • イスラム教徒と社会的同化の政治学
  • フランスにおけるイスラム教徒の歴史
  • イスラム教徒は他の宗教の信者よりも敬虔か
  • 困難な経済環境下での一定の進歩
  • イスラム教徒とフランス政治
  • イスラム問題とフランス大統領選挙
  • フランスの病

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