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イランの国内政治力学と核問題
―― テヘランは何を警戒し、何を望んでいるのか

レイ・タキー 米外交問題評議会(CFR)中東担当シニア・フェロー

What is happening inside of Iran?

Ray Takeyh CFRの中東担当シニア・フェロー。ワシントン近東政策研究所のフェロー、米国防大学教授、同大学近東・南アジア研究所の研究部長などを経て、現職。専門はイラン、中東の政治改革、イスラム主義運動など。

2006年7月号掲載論文

イランの「戦争世代」強硬派の代表的人物であるアフマディネジャド大統領の世界観は、イスラム主義のイデオロギー、ナショナリズム、国際秩序への不信感で成り立っている。「戦争世代」は、アメリカとの紛争は避けられないとみており、アメリカを抑止するには、戦略兵器を保有するしかないとみている。一方、「インド・モデル」に注目する「現実主義者」たちは、国際社会とグローバル経済への統合を果たすには、核開発に対する制約も受け入れざるを得ないと考え、核拡散防止条約(NPT)の許す範囲内で開発を進めることを求めている。必要なのは、「イランとアメリカが心配する懸案のすべてを網羅するような交渉」において、両国が合意できる部分を増やしていくことではないか。核問題を、より広範なアメリカとイランの関係における病の症状の一つとみなし、根本の病を治していくような路線が必要だ。イランの核問題を解決できるとすれば、アメリカとイランの全般的関係が大きく改善した場合だけであることを認識する必要がある。邦訳文は、米外交問題評議会(CFR)のレイ・タキーが、米上院の「連邦金融管理・政府情報及び国際安全保障に関する小委員会」に、7月20日に提出したイラン問題に関する書簡証言。

  • イランの核問題
  • 「イラン・イラク戦争世代」の権力掌握
  • 痛み分けの戦争は「西洋の陰謀」
  • インドに注目する戦争世代強硬派
  • 戦争世代の対米イメージ
  • イランの現実主義者、改革派の立場
  • 核問題を解決するには

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