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経済成長は本当に民主化を促すのか
―― 中国の民主化はなぜ進展しない

ブルース・ブエノ・デ・メスキータ
ニューヨーク大学政治学部長、フーバー研究所シニア・フェロー
ジョージ・W・ダウンズ
ニューヨーク大学社会科学部

Developmentand Democracy

2006年1月号掲載論文

近年では、抑圧政権は、経済発展を実現しつつも、民主主義の導入を非常に長い間遅らせることに成功している。例えば、中国は、この年にわたって力強い経済成長を遂げているが、依然として政治的には抑圧体制を温存している。現実には、経済成長によって抑圧政権の寿命は短くなるどころか、むしろ長くなっている。経済成長によって得た資金をバックに、公共交通機関、保健医療サービス、初等教育などの公共財を提供することで市民の満足度を高める一方で、民主化を求める市民の連帯を育む前提である政治的権利、人権、報道の自由を厳格に管理しているからだ。いまやわれわれは、経済成長は民主化を呼び込むという理論を見直す必要があるし、国際機関の融資条件に市民間の連帯をうながす一連の権利の保障を含めるべきだろう。

  • なぜ中ロの民主化は進展しないのか
  • 民主化の動きに独裁者はどう対処するか 
  • 経済成長を維持し、政治の開放を阻止する
  • 民主化運動の芽をつみ取る  
  • 抑圧政権の成功の代価とは
  • 民主化促進には何が重要か

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