ブッシュ政権の対中、対日政策を検証する
Hope to Improve U.S. Standing in Asia
2005年12月掲載論文
北京が鳥インフルエンザ問題をめぐって十分な情報公開をしているとは断言できない。深刻な状態にあることを公表することへのためらいがみられるし、鳥インフルエンザに関して地方から正確な情報が寄せられているかどうか、北京の指導者自身、確信がもてずにいる。中国問題の専門家エリザベス・エコノミー(CFRシニア・フェロー)は、鳥インフルエンザの情報公開であれ、知的所有権の保護であれ、中国が国際社会で責任ある国家とみなされるには、国内の統治システムを抜本的に改革し、特に、地方において優れた統治システムを確立することが不可欠だと主張し、「それには長い時間を必要とする」とコメントした。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
- 鳥インフルエンザとアジア
- 日米関係の安定と憲法改正問題
- 先の読めない対中関係
<鳥インフルエンザとアジア>
――ブッシュ大統領のアジア歴訪の課題の一つはアジア諸国の鳥インフルエンザ対策を促すことにあった。
鳥インフルエンザ問題はいまや世界にとって大きな関心事であり、アジアはこの感染症発生の中核地域だ。重症急性呼吸器症候群(SARS)の時のような騒ぎにならないように、ワシントンは、アジア地域の政府が鳥インフルエンザに関する情報公開を進め、対応をめぐって国際協調を重視するように望んでいる。
――中国政府のSARSの扱いについては大きな批判があった。鳥インフルエンザについては、適切な対応をするだろうか。
中国政府も今回は適切な対応を心がけているようだ。だが、北京が鳥インフルエンザ問題をめぐって十分な情報公開をしているとは断言できない。現在中国は感染した鶏やアヒルの処分を進めているが、深刻な状態にあることを公表することへのためらいがある。さらに深刻なのは、鳥インフルエンザに関して地方から正確な情報が寄せられているかどうか、北京の指導者自身、確信がもてずにいることだ。鳥インフルエンザの発生が確認されても、省レベルの指導者がそれを隠蔽しようとする危険は十分ある。とはいえ、北京はSARSの流行を隠そうとしたことによって国際的に批判されたことを忘れておらず、そうした事態を繰り返すのを避けるために、今回はより透明性を高めようとしている。
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