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世界を分裂させたブッシュのアメリカ

マドレーン・K・オルブライト 元国務長官

Bridges, Bombs, or Bluster?

Madeleine K. Albright 旧チェコスロバキア生まれ。チェコの外交官ジョセフ・コーベルの娘として第二次世界大戦期をロンドンで過ごす。父親の戦後の赴任先であるインド滞在中に、チェコで共産党によるクーデターが起き、一家はアメリカに政治亡命した。その後、父ジョセフ・コーベルはコロラド大学の政治学教授となる。ウェルズリーカレッジ、コロンビア大学で学んだ、一九七八年にブレジンスキー補佐官が取り仕切るカーター政権の国家安全保障会議のスタッフ、八二年にジョージタウン大学の教授となり、九三年の第一期クリントン政権で国連大使、第二期クリントン政権で国務長官(一九九七~二〇〇一)を務めた。ブッシュ政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めるコンドリーザ・ライスは、ジョセフ・コーベル教授の教え子の一人。近く、回顧録『マダム・セクレタリー』を出版予定。

2003年9月号掲載論文

ブッシュ大統領が示した「われわれとともにあるか、テロリストの側にあるか」という二者択一の選択肢は、世界を引き裂いて新たな合従連衡の流れをつくり出し、その結果、イスラム勢力が戦略的優位を確保し、本当の悪であるテロを見えなくし、それを「アメリカの悪魔」に置き換えることを許してしまった。
しかも、質的に異なるテロとならず者国家の脅威をひとまとめにして、イラクとの戦争を正統化しようとした。こうして世界との協調がアメリカの安全をこれまで以上に左右するようになったまさにそのときに、ワシントンは世界を怖がらせ、分裂させてしまったのだ。

  • 「アメリカとともにあるのか、それとも……」
  • 相手を説得しようとしないブッシュ政権
  • 米欧対立を修復するには
  • イラクと中東の民主化
  • パレスチナ問題
  • 貧困と疾病というもう一つの脅威

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