パレスチナの信託統治を検討せよ
―「ロードマップ」以降の解決策は何か
A Trusteeship for Palestine?
2003年5月号掲載論文
自爆テロと軍事的報復作戦の悪循環によって、イスラエルとパレスチナは奈落の底へと突き落とされつつある。新たに表明された「ロードマップ」和平案も、いずれ失敗するのは目に見えている。
和平を阻む最大のジレンマは「パレスチナ側に責任ある交渉パートナーを誕生させ、パレスチナ治安部隊がうまく任務を果たせるようにしない限り、イスラエル側の責任ある対応も引き出せない」という点にある。必要なのは、ロードマップではなく、このジレンマを唯一うまく断ち切れる「信託統治」のための見取り図だ。イラク戦争によってワシントンが得た新たな影響力を中東和平の実現に向けて生かすためにも、ロードマップ崩壊後の信託統治案をいまから準備しておく必要がある。
- 「ロードマップ」は成功しない
- パレスチナ信託統治の見取り図
- 関係勢力の懸念にどう対処するか
- 最終地位合意に向けて
- アメリカの決意を示せ
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